お前が嫌い

極めてパーソナル

ジャズの名盤入門、という書籍

中山康樹著:ジャズの名盤入門 (2005年)
講談社現代新書

大学で借りてきた。同時に三島由紀夫の『花ざかりの森・憂国』も借りた。これに関しては以前ブックオフで見つけた、タイトルに釣られてなんとなく買ってみた同著者の『不道徳教育講座』が面白かったから、前から読んでみたかったのだった。

ジャズというものにアルバム作品として初めて触れたのは、
Art Blakey & the Jazz Messengers『Moanin'』
だった。
DiskUnionに有り金全部突っ込んでいた高校生時代、ジャズも聴かねばなるまいな、と、己の文化的素養を高めるべくジャズのコーナーに立ち、しかしどのアルバムが良いのか分からないので携帯片手にAllmusicの評価を見ながら、5、600円以内のアルバム3枚で500円という定期的に行われる素晴らしいセールに乗じて、その範囲内で買えるアルバムを探した。
その結果として、私の初めてのジャズアルバムは『Moanin'』となった。
ジャズはそれ以降、たいして触れて来なかった。
『Moanin'』が期待外れだったということではなく、ロックやテクノを追うのに金も時間も奪われ、余力が無かった。CDを買うペースががくっと落ちるまでに1000枚以上集めたが、例えばwilcoのアルバムを1枚も買えていなかった。
それだけ音楽作品の数は膨大で、その基本をおさえるだけでも多大な労力を要する。
ジャズ、クラシック。この界隈も少しずつ触れてはいたがほぼスルーしていたのにも関わらずこれだ。
ここで、AppleMusicだ。
多くの作品を聴くには、作品の数だけ金もかかる。
しかし、AppleMusicは月額さえ払っておけば自由だ。なんと良い時代か。金銭面はほぼ解決を見た。
作品との出会いにドラマが無いとも言われる。
苦労して手に入れたほうが思い出深くなると。
人間である限り、そういった、音そのもの以外の何らかによって作品の評価が左右されることは免れ得ない。
これを恥だと思う向きもある。私がそうだった。
それは作品を評価する立場にあって、”己の文化的素養を高める”事にご執心する人間の思考だ。
これも突き詰めれば立派だが、音楽は音そのものの価値に留まるものではない。
免れようとする必要は無い。
そう気付いたのは、実は最近の事かもしれなかった。
私は、『Moanin'』の出だしのピアノに、音そのものに留まらないロマンチックな何かを感じていた。


思うままに書いていたらジャズ入門と関係がなくなってしまった。話を戻そう。
『ジャズの名盤入門』について、そのすべてを読んだわけではない。
目に付くものから随時、AppleMusicで聴いていこうという算段である。
『Moanin'』との出会いからも少しずつジャズアルバムを買い足していたが、やがて止まってしまっていた。
もう一回、潜ってみようと思う次第である。